和菓子の分類
朝生菓子と上生菓子の違いについて
和菓子には、大きく分けて朝生菓子と上生菓子という分類があります。
朝生菓子とはできた日に食べる生菓子の事を言います。
一般的なだんごや大福、草餅などの生菓子も作ったその日に食べれば朝生菓子となります。
でんぷんが入ったものは時間がたてば硬くなってしまうため、毎朝つくる必要があります。
一番おいしい状態を食べてもらいたいという想いから朝生菓子と言われるようになりました。
一方、上生菓子は、手先の技術によって四季折々の景色など再現して作った和菓子の事を言います。
基本的には2~3日はおいしく食べられるようになっています。
また和菓子の中には2日たったものの方が美味しさが増す場合もあります。
焼き菓子は出来立てホヤホヤより次の日の方がより美味しくなります。
餡と種がなじめばなじむほど、食べた時の旨みが増します。
この事を和菓子業界では「戻りが良い」と言われています。
このように和菓子の知識は覚えていればいるほど、食べる時が楽しくなります。
まんじゅうの種類
まんじゅうには大きく分けて「焼饅頭」と「蒸し饅頭」があります。
蒸し饅頭は皮の部分に当たる「種」をあんで包み、蒸したもの。当店の本まんじゅうや黒糖まんじゅうが蒸し饅頭にあたります。
一方、焼きまんじゅうはオーブンなどを使って、あんを包んだ種を焼いた饅頭。栗饅頭やカステラ饅頭ともいわれています。
さらに細かく見ると、饅頭はあんの種類や、使う種によって名称も変わります。 あんだけでもざっと上げると、ポピュラーな小豆のこしあん、つぶあん。こしあんに鹿の子豆を混ぜた「小倉あん」。 えんどう豆のうぐいすあん、柚子あん、ゴマあん……職人の数だけあんの味があると言われるほど、数限りないあんが存在し、味も異なるのです。 種も本来は小麦粉を使いますが、「上用粉」と呼ばれる米粉を使えば「上用饅頭」とよばれ、もち米粉(かるかん粉)を使えば「かるかん饅頭」。 酒麹の発酵の力を使う「酒饅頭」と、あんほどではありませんがこちらも多彩なバリエーションを誇ります。
饅頭は日本全国で売られ、その土地ならではの商品もあれば、全国展開されている商品も存在します。和菓子店にいけば、職人のオリジナル商品も見つかるかもしれません。 おいしい饅頭が出来上がるまでには数多くの試作品を作る必要がありますが、その積み重ねを経てあって初めて、お客様を満足させる饅頭ができ上がるのです。
和菓子の由来
桜餅
桜餅は江戸時代、隅田川のほとりに位置する向島にある、長命寺の門番をしていた新六という人物が発案したものです。 春になると桜の葉の掃除に追われていた新六は、この葉を何とかできないものかと考え、塩漬けにして餅をまいて売り出すことを考え出します。 すると餅は大変好評となり、桜の名所であった隅田川へ花見に行く際、この「長命寺桜もち」が親しまれていました。
さて、そんな桜餅は関東と関西で生地が違います。 関東では小麦粉に水を解き、平鍋で薄く焼いた生地にあんを包む焼き餅が主流です。 それに対し、関西は道明寺糒(ほしい)と呼ばれる兵糧を使った「道明寺粉」を餅状にしてあんを包むのが主流となっています。 現在は流通が整い、関東関西問わず両方の味を楽しめます。
団子
団子の源流は古く、縄文時代にすでにどんぐりやくぬぎ、トチの実をすりつぶして水につけ、アク抜きしたものを粥や団子状にして食べる文化がありました。 現在のような団子の由来も諸説あり、遣唐使が持ち帰った唐菓子の一つ「団喜」という説、中国の団子(トゥアンズ)というあん入り団子を起源とする説。さらに平安時代に記された書籍に書かれた団子(だんす)を名称の起源にする説とかなり入り乱れています。 ただし、今の団子(だんご)と呼ばれるようになったのは室町時代からであり、庶民が楽しめるようなお菓子になったのは江戸時代からになります。
このような歴史の中、団子のバリエーションも数多く存在します。 小さな団子を串に刺したものや、一つで大きな団子とするもの。月見団子のように串に刺さない団子もあります。 団子に混ぜたり付けたりする材料によっては、蕎麦団子やよもぎ団子、きびだんごやみたらし団子と多くの種類があります。
最中
最中の名称は、平安時代に出された「拾遺和歌集」にある藤原定家の歌、 「水の面に 照る月なみを数ふれば 今宵ぞ秋の 最中なりけり」に由来するといわれます。 古くから干菓子として最中の皮だけ食べられていましたが、この皮にあんを挟んだものが現在の最中となります。 最中の持つ特徴として、皮の形状に工夫を施せます。金型に生地を入れて焼き、中にあんを挟み、入れることで出来上がる最中は、その土地ならではのユニークなお菓子として販売されることも多い和菓子です。/p>
大福
大福の原型と言われる「腹太餅(大腹餅)」は、腹持ちがよい餅として家庭で作られていました。 これが江戸時代、小石川に住んでいた”おたま”と呼ばれる女性によって小形化、あんに砂糖が加えられて大福になったと言われています。 名称も「腹」から吉字である「福」に置き換えられ、大福餅となったわけです。
そんな大福ですが、お餅とあって時間があると硬くなってしまいます。 しかし、この硬くなったお餅を火鉢やコンロで温め、柔らかくして食べるのもまた大福のおいしい食べ方です。 焼くことで香ばしさも出るので、そのまま食べるのとはまた違った味わいを楽しむこともできます。 最近の大福は硬くなりにくいように作られていますが、カチカチになってしまった大福がありましたら、ぜひ一度焼き大福を試してみてください。
おはぎ
おはぎは別名「萩の餅」「萩の花」とも呼ばれ、女官の言葉使いとして広く知られた後「おはぎ(御萩)」と呼ばれるようになったという説があります。 粒あんの小豆の皮が、小さな萩の花が咲き乱れているように見えたのが語源と言われています。 また、江戸時代にはおはぎのことを「隣知らず」と呼ぶ時代もありました。臼を突かずに作ることができるので、「隣に住んでいる人が知らないうちに出来上がる」ということから付けられた俗称でもあります。 また、おはぎはぼた餅に似ていると言われていますが、「単に名称が違うだけで同じ和菓子」という場合もあれば、「使っているあんが違う」という場合もあり、諸説入り乱れています。 和菓子店では春にぼた餅と呼び、秋におはぎと呼ぶお店が多く見られます。
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また、和菓子は春の桜餅やお節句の柏餅、お彼岸やお盆のおはぎ、夏の七夕や秋の紅葉をイメージした上生菓子など季節ごとに楽しめ、四季の移ろいを美味しく食べながら味わっていただけます。是非、自慢の味をご賞味下さいませ。